2021年02月15日
・発酵とは?
微生物が発酵食品など人間に有益なものを作ることを発酵と呼びます。広義では、微生物が関わらず有益な物質を作ることも発酵と呼ぶ場合がありますが、発酵食品と呼ばれるものの大部分は微生物の働きが関わっています。一方、微生物が人間にとって有益でないもの(有害なもの)を作る場合は腐敗と呼ばれ、食中毒や体調不良の原因となってしまいます。そのため、発酵を利用するためにはどのような微生物がどのような働きをするのか理解しておく必要があります。(どのような微生物の働きで発酵食品が作られるかは別のコラムで紹介します)
・発酵食品の利点
①栄養やおいしさ(味・風味)の変化
発酵食品は微生物自身や発酵前の食品が持つ酵素によって、発酵前の食品と比べ栄養やおいしさに変化が起こります。このように変化した栄養の中には発酵前の食品には含まれない有益なものも報告されており様々な健康効果について研究が行われています。また、味や風味についても発酵前の食品にはない独特のものとなり食を豊かにしてくれます。
②栄養の消化・吸収効率アップ
発酵食品の製造には酵素の働きが関わっていますが、この時に大きな物質を小さな物質に分解する反応が起こっています。人間は食べた食品を消化管で分解を行い腸で栄養を吸収します。発酵食品の栄養は酵素の働きで既に吸収しやすく分解されているので、発酵食品は食べやすく吸収されやすい栄養が含まれた食品といえます。
③腸内環境を整える
発酵食品の多くは微生物を利用して作られますが、その微生物や微生物によって作られる物質には腸内環境を整えるものが報告されています。近年注目されている乳酸菌もそのひとつで、乳酸菌そのものや乳酸菌が作る乳酸などの有機酸には腸内細菌のバランスを整える効果が報告されています。
まとめ
発酵食品はおいしさの面で食を豊かにしてくれるだけでなく、発酵に関わる微生物やその微生物が作る物質によって、消化・吸収の効率アップや腸内環境を整える効果など様々な面で健康効果が期待できます。